今年(2022年)の夏は世界中で異常な高温が記録されています。ロンドンでは観測史上初めて最高気温が40℃を超え、スペインのマドリード近郊のカンデレダという都市では45℃、ポルトガルのピニャオンとルーサでは47℃を記録したという報道がありました。フランスでは熱波が原因とされる山火事が発生、中国でも40℃を超える観測ポイントが多数あったそうです。
このような異常気象の原因が地球温暖化に関係しているか否かの判断は専門家に任せたいと思っていますが、産業界においてこれらの高温、ヒートアイランド現象の対策として商品化を進めている代表例の一つに遮熱性舗装があります。特に都市部、人口密集地帯においては車の交通量(車の排気熱)やエアコン使用の多さ(エアコンの排熱)が過疎地域に比べて圧倒的に多いこと、また、緑や水辺が少ないことなどから、郊外に比べ気温が高くなる傾向があります。
もちろん地理的条件もあるので郊外でも高温になる場所は多いですが、居住者・労働者の多い地域の気温をいかに下げるかは、ヒートアイランド現象の直接的な対策になります。これが、遮熱性舗装が注目される理由です。
舗装用遮熱塗料を塗った路面と塗っていない路面では、日中の路面温度を10℃程度低減できると謳っているメーカーもあります。路面に蓄積された熱が夜に放出され、朝になっても気温が下がらないのがヒートアイランド現象ですから、熱を蓄積せず夜の放熱量を少なくすることは、ヒートアイランド現象を解決する手段としてはとても有効です。
遮熱性舗装は、太陽光の熱を吸収せず反射させることが主たる機能です。今ある舗装面に遮熱性樹脂を塗布する工法や、遮熱モルタルを充填する方法など様々な種類があります。他に保水性と遮熱性の両方を高める方法、色を付けて事故防止の注意喚起をするなど、複数の機能を持たせた舗装・塗料もあり、メーカーは開発を競っていますし営業面での競争力強化にも力を入れています。
遮熱性舗装のどれだけ熱を遮断できるかという性能評価には、EFフィルタ付き人工太陽照明灯が活躍しています。人工太陽照明灯の光をできるだけ均一に照射して評価することが求められるので、スーパースポット形のXC-500EFSSが使われます。温度管理された部屋の中で人工太陽照明灯の光を被試験体に当て続け、製品の表面温度を長時間測定し続けて性能評価をします。
日本では、日本道路会議(社団法人日本道路協会が主宰する、道路に関する広範な問題について研究成果を発表し、意見を交換する日本最大の会議)において、人工太陽照明灯を使用した遮熱性舗装の評価方法の検討結果が報告されています。
人工太陽照明灯は、遮熱性舗装の性能試験用光源として高い評価を頂いているとともに、業界の推奨機種として業界の発展に寄与しています。
人工太陽照明灯の仕様・性能については下記ページをご覧ください。
安定した環境で遮熱性舗装の性能評価試験をしたい、とお考えでしたら、ぜひ、経験豊富な弊社へお気軽にお問合せ下さい。お客様のご要望に合った装置をご提案致します。
・人工太陽照明灯SOLAX-500Wシリーズ
・1sun(1000W/m2)や100000Lxを照射できる人工太陽照明灯集光タイプ(スーパースポット形)