教えて!「太陽先生!!」

残暑と太陽の関係

ようやく厳しい残暑も一段落、秋らしい気候になってきました。
それにしても今年の残暑は厳しかった!9月10日を過ぎても連日35℃を超える猛暑、しんどかったですねぇ。皆さまはどのように残暑を乗り切ったのでしょうか?

さて、「残暑が厳しい=太陽の光が強い」と思っている方、いらっしゃいますでしょうか?
実は、残暑の厳しさと太陽とは、あまり相関関係があるとは言えないのです。

例えば、9月10日の太陽光は、今年(2024年)の秋分の日9月22日の12日前の太陽光であり、この9月10日の太陽光は、春分の日3月20日の12日後の4月1日とほぼ同じ太陽光なのです。

地表に届く太陽の光の強さは、南中時は

地表に対して垂直に届く太陽光×大気による減衰率×太陽の地表に対する角度の三角関数
で決まります。

この結果から、今年の9月10日と4月1日の太陽光の強さは同じ、という事になります。

ではなぜ4月1日は涼しくて9月10日は暑いのか?

それは、地面や海水の蓄熱、湿度の違いやその年の降水量、大気の循環パターンなど様々な理由があります。詳しくは気象の専門家に譲りたいと思いますが、概ねこれらのような理由によります。

3月、4月はそもそも気温が低く、地面に蓄えられた熱が夜間に放出されます。それに対し8月、9月は気温が高く、日中に地面に蓄えられた熱が充分に放出されず、熱いままの状態が残ります。

因みに、4月と9月の日射量のデータが気象庁のポータルサイトに出ています。以下は2023年4月と9月のつくば市における日射量のデータになります。

2023年4月のつくばにおける日射量データ
2023年9月のつくばにおける日射量データ

文字が小さくて恐縮なのですが、これを見れば4月と9月の日射量はほとんど同じであることが分かります。4月は涼しい夜に地面からの熱が放出されるから翌日も暑くならない、9月は暑い夜に地面からの熱が放出されるので翌日も暑い、というのが、9月が暑い理由の1つです。

これが、タイトルの「残暑と太陽の関係」の答え“関係ない”の理由でした。
ちなみに、夏バテ予防策として「朝はできるだけ毎日同じ時間に起きて、太陽の光を浴びると自律神経を整えやすくなります。」というのもあります。これは質のいい睡眠のために大切なことで、食べ物や水分補給と並んで重要なことだと言われています。

皆さん、今年の夏は無事に乗り切れましたか?来年の厳しい残暑は朝の日光浴でリズムを整え、しっかり睡眠と旬の食べ物を採って乗り切りましょう!

参考文献:
気象庁ホームページ
https://www.data.jma.go.jp/env/radiation/data_rad.html

社会医療法人社団 健生会 「残暑バテにご用心!夏の疲れと気候変化による自律神経の乱れが原因:暮らしの健康教室」
https://www.t-kenseikai.jp/honbu/post-4260/

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