■現代の日常こそ落とし穴
介護中の親が、元気になってくれれば!
介護中の方、みんな優しい気持ちで、親に接しています。
可能なら元気に戻ってほしい。
親が元気なのはうれしいです。
そして、自分の時間が増える、仕事も集中できる、イライラしないで済む、さ
らに、通院機会も減少し、出費も抑えられる。
いいことずくめです。
やっぱり、健康が一番です。
しかし、現代の日常生活は豊かではありますが、
不健康要素のオンパレードなのです。
① 何でもいつでも食べられる
例)栄養の偏り、食べすぎ、酸化した油の摂取、糖及び脂質の過剰摂取
状態)栄養失調、肥満、隠れ肥満、代謝不可の体内蓄積による不調(自然でない食べ物は
体には異常)
② 常温保存食品、人工化学物質入り食品
例)保存料入りのお弁当、カロリーオフ、糖質オフなど添加物などの大量摂取
状態)体内蓄積による原因不明の不調(自然でない食べ物は体には異常)
③ 冷たい物の日常摂取
例)かき氷、アイスクリーム、冷えたビール(冷たいものは体にとって不自然です)
症状)胃腸が冷え、腸内細菌の体内での感染症から、様々な病気のもとへ
④ 外出できない、過度な紫外線対策
例)外出自粛、UV カット、美白(自然では紫外線を浴びるようになっている)
症状)日光浴ができず、ビタミンD 不足で骨粗しょう症
免疫力低下で病気にかかりやすい体へ、治りにくい体へ
⑤ 夜型生活
症状)日光浴できず、ビタミンD 不足→骨密度低下、ケガしやすく(自然では夜寝て、
昼起きる)
体内時計の狂い→睡眠の質低下
心が塞ぎがち→うつ、やる気の低下
■現代生活は不健康のスパイラル
体調の不調→動かない→日に当たらない→眠れない→食べられない→ますます不調に
そう。自然とは反対の生活です。現代の日常生活は、元気になってほしいという思いと真逆、健康にとって悪循環のきっかけになりえます。
(*1:参考文献:究極の免疫力/西原克成著)
特に見逃されがちなのは、日光浴(紫外線)を避ける風潮です。日光浴不足によって、顕著に起きる状況は、ビタミンDの不足です。
なんと日本人は約8割がビタミンD不足であり(*2)、骨密度が低い問題を抱えています。
そして、日光浴不足でビタミンDが不足している状態ではガンになる確率が2.1倍に上昇(*3)、という研究結果があります。
過度な紫外線対策、コロナによる外出抑制がもたらす日光浴不足は、負の側面が体には表れているのです。
<参考サイト>
ウェルエイジング 学ぼう 免疫力「ビタミンDで免疫維持 おすすめは魚を食べる・日光浴」(2020.7.29)
(*2)参考データ:Osteoporos Int. 2013;24(11):2775-87
(*3)参考文献:紫外線のすごい力南雲吉則著
■健康スパイラルに変える
人間は本来強い体を持っています。それは自然の力、自然の生活習慣が引き出します。
普段の生活を少し見直すだけで、スパイラルが反転します。
・栄養バランスのよい食事
・温かいものの摂取、体を温める
・たっぷりの日光浴
・適度な運動をし、夜しっかり寝る
これで、体が強くなり、健康への「好循環」への転換が可能です。(*1)
これで、親が動けるようになって、介護負担が減れば、大変喜ばしいです。
通院負担も減少しますし、通院回数が減れば、出費も減っていくなど好循環が期待できます。
健康スパイラルで見逃されがちな日光浴は、動けなくなっている方にとっては、最初にやってみるのがおすすめです。(*3)
骨を強く、晴れやかな心、よい睡眠など、動ける準備の期待ができるからです。
■日光浴のすごい力
(1) 骨を強く
日光浴はビタミンD の生成が行われ、骨が強くなる効果があります。(*3)
ビタミンD は、皮膚に紫外線(UV-B)が当たることで、生成されます。
肝臓や腎臓で水溶化されたビタミンD は、腸でカルシウムの吸収を促進させ、血中のカルシウム濃度が上昇し、骨の生育に寄与します。
もっと詳細を知りたい方は、国立環境研究所様の動画チャンネル(紫外線とビタミンD)をご覧ください。また、必要な日光浴の時間には地域差があります。この点も説明があります。
<参考サイト>
国立環境研究所 youtube動画チャンネル「紫外線とビタミンD」(2020.12.28)
(2) 気分晴れやかに
また、日中に日を浴びると幸せホルモン「セロトニン」が分泌され、気分がよくなり、心も晴れやかになります。
セロトニンは目から網膜に光が入ることにより、脳幹部で分泌されます。
こんなニュースがありました。
<参考サイト>
北海道ニュースUHB youtube動画チャンネル「日光浴ってすばらしい!外出自粛で”うつ”警戒…「心も体も健康になろう!」狙い目は午前」(2020.5.15)
(3) 睡眠
睡眠にもよく、朝、太陽の光を浴びるとぐっすり眠ることができます。簡単に申すと、朝日を浴びることで、交感神経が活発に覚醒し、日中元気に活動し、夜の活動量が減り、自然と眠くなります。こうして体内時計が整い、良質な睡眠が得られるのです。
夜の睡眠に必要なのはメラトニン(睡眠ホルモン)です。光が暗くなるとメラトニンが分泌される準備ができます。メラトニンに必要な材料は、セロトニンです。セロトニンがないとメラトニンが生成されません。セロトニンがあり、暗くなることで、メラトニンが分泌され、副交感神経が優位になり、自然と眠くなります。
参考動画をご覧ください。
<参考サイト>
メンタル不調からの職場復帰・社会参加、再発予防を支援【ニューロチャンネル】(youtube)「朝の日光浴が不眠改善に良いワケ」(2020.9.11)
(4) ガンになりづらい
適度な日光浴でビタミンD が十分に足りている状態は、ガンの抑制遺伝子の活性化にもつながります。それよりも、日光浴を十分している人に対して、日光浴が不足している人はガンになる確率が2 倍になるという報告があります。(*2)
日焼け=皮膚がんを連想しますが、実は日本では皮膚がんが増加したという研究結果はありません。(*3)
■介護で外に出られない方、日焼けしたくない方
日光浴をしたいが、外に出られない、やっぱり美白がよいという方は困ってしまいます。
そのような方は人工太陽照明を利用して、室内日光浴ができます。足裏に当てれば、美白を維持しつつ、日光浴が可能です。
<参考サイト>
セリック 「室内日光浴専用太陽光照明 健康SOLAX」
■参考:不調の5カ条ミニ知識
① 栄養の偏り、油もの、添加物入りの食事
外食での油は酸化が懸念され、体によくありません。お弁当などは防腐剤などが入って
います。つまり、虫も食べない食事です。でも、人間は食べてしまい、添加物が体内で
蓄積、体の不調に繋がっています。カロリーオフなどの甘味料も消化されず、悪いもの
が蓄積されていきます。なるべく自然素材のものを摂取するのが大切です。
② 日光浴不足
療養、コロナによる外出自粛、美白ブームによる過度な紫外線対策によって、日に当た
らない生活が増えました。日に当たらないことは、骨が弱くなり、細胞レベルで元気が
なくなり、体の冷えを助長し、不調を生みやすい体になってしまいます。また、睡眠ホ
ルモンのメラトニンの分泌が減り、睡眠の質にも悪影響があります。特に朝の目覚めで
光が大事。朝の少しの時間、昼間の30 分、しっかり日光浴すると良いです。
③ 運動不足
ちょっとした移動でも乗り物利用をする、2,3階の上下移動でもエスカレータやエレ
ベータを使うなど慢性的に運動不足となっています。筋肉量が減り、体力がなくなり、
運動機会が減る悪循環。肥満、運動のケガのしやすさなど危ない状況とも言えます。日
常生活で体を動かす機会を増やしていくのが大切です。
④ 睡眠不足
睡眠は疲労回復の他、病気の素の炎症改善も期待できます。日光浴と運動が睡眠の鍵で
すが、夜型生活と運動不足により、睡眠不足、睡眠の質低下という状況です。疲れの蓄
積は免疫力低下を招き、病気になりやすい体になってしまいます。なお、睡眠による回
復は横になっているときに行われます。座ったままの睡眠は疲労回復効果が小さいため
横になって寝るのが大切です。
⑤ 体の冷え、冷たいものの摂取
特に現代は冷蔵庫の発明によりいつでも冷たいものを摂取できるようになりました。
冷たいものは、実は健康の司令塔「腸」が大変なダメージを受けます。健康の司令塔が
ダメージを受けると、細胞の不活性が促進、様々な不調が発生する可能性があります。
冷たいものは極力避け、常温~温かいものを摂取することが大切です。
※参考文献
(*1)究極の免疫力 西原克成/講談社インターナショナル
(*3)紫外線のすごい力 南雲クリニック総院長南雲吉則/主婦の友社