自然太陽光とほぼ一致したスペクトルを出す人工太陽照明灯。そのフィルタに盛り込まれた技術の解説と種類をご紹介します。
人工太陽照明灯SOLAXはキセノンランプを使用して太陽の光を再現しています。キセノンランプ光の分光特性(図1)は800~1000nm付近に強いエネルギー帯を持ち、相対放射照度が崩れている(太陽に近くない)状態です。
そこで、特殊なフィルタを用いて800~1000nm付近の透過を少なくすることで、人工太陽照明灯SOLAXは自然太陽光とほぼ一致した分光分布を出す照明(図2)になります。
開発されたフィルタは、紫外線、可視光線、赤外線の透過率が異なるため、用途に合った光を自由に取り出すことが可能です。
フィルタ記号 | 特長と適合用途 |
Aフィルタ | 可視光線の分光分布を太陽光に近似させるフィルタで、おもに色彩評価などに使用されます。 |
Bフィルタ | 紫外線(UV-A、UV-B)及び、可視光線の分光分布を太陽光に近似させるフィルタで、おもにバイオテクノロジー分野で使用されます。 |
Eフィルタ | 紫外線(UV-A)、可視光線及び、赤外線の分光分布を太陽光に近似させるフィルタで、おもに太陽電池セルの試験などに使用されます。 |
透明形のA、B、Eフィルタと、フロスト形のAF、BF、EFフィルタがあり、これらは照度と照射範囲の違いがあります。透明形はフロスト形より高照度が得られ、フロスト形は透明形に比べるとより広い範囲を照射できます。
フィルタ記号 | A,B,E | AF,BF,EF | ||
人工太陽照明灯 SOLAX | 100Wシリーズ (XC-100形) | 500Wシリーズ (XC-500形) | 100Wシリーズ (XC-100形) | 500Wシリーズ (XC-500形) |
中心光度 | 約3000cd | 約26000cd | 約1600cd | 約12600cd |
ビーム角 | 約48度 | 約60度 | 約60度 | 約72度 |
標準形のフィルタと併せて使用し、「より自然太陽光に近い光」や「不必要な熱がない光」を作り出します。
フィルタ記号 | 特長と適合用途 |
BSF470 | AまたはAFと組み合わせて使用することで、可視域の特性がより太陽光に近似するフィルタです。 |
IR750(CL-730) | 各フィルタと組み合わせて使用することで、赤外線(熱線)を完全にカットするフィルタです。熱線カットフィルタとも呼ばれます。 |