近年はプリンタの性能がかなり向上しました。一般の書類印刷だけでなく、写真プリントなども家庭で出来るようになりました。画質だけでなく印刷のスピード、コスト、インクの交換の容易さ、Bluetooth対応など、便利で使い勝手の良いプリンタが次々と販売され、プリンタメーカー各社が競い合っています。
現在市場に出回っているプリンタは、「インクジェット方式」と「レーザー方式」の2種類に大別できます。インクジェットは主に家庭用、レーザーは主に業務用のプリンタです。インクジェット方式は小さいサイズ(A4以下)のカラー印刷が得意です。一方レーザー方式はA3やもっと大きなサイズの印刷ができ、かつ大量印刷が必要な場合に適しています。
さらにメーカーによって本体価格やトナーカートリッジの費用、性能などの違いがあり、それぞれの持ち味、得意不得意がありますので、プリンタ選定の際は各メーカーのスペックとコストを比較して決めるのが良いと思います。
プリンタの出力は、言うまでもありませんが印刷です。色はシアン・マゼンダ・イエロー(CMY、色の三原色)にKey Plate(K)を加えた4色で作ります。これに対しカメラは、レッド・グリーン・ブルー(RGB、光の三原色)の混合で画像を作ります。
ちなみに原理的には、CMYを全て混ぜると黒になり、RGBを全て混ぜると白になります。実はこれがかなり厄介です。なぜなら、色の三原色と光の三原色では、再現できる色の範囲が違うからです。つまり光の三原色(RGB)で作った色が、色の三原色(CMY)では再現できないことがあります。そのため、撮影した画像あるいはPC上で作成したデザインの色がプリントすると違う、ということは良くあります。
これをいかに近づけるかがカラーマッチング(カラーマネジメント)システムと言われるもので、プリンタ各社が独自の方法でデジタル画像とプリントの色を決めます。つまりデジタルカメラで撮影した画像を印刷した時、プリンタ各社によって色が若干違うことがあるのは、これらの理由が原因なのです。
さて前置きが長くなってしまいましたが、撮影した画像をプリントした時の色の同一性の評価は、目視で行われます。なぜなら画像の元となる対象物の色彩分析は多くの場合できないからです。撮影した画像の色は数値化できますが、これはRGB系で数値化されたもので、CMYKでは別の指標となるため簡単には比較できません。また複雑な色合い、複数の色の細かい柄などは一つ一つ数値化する手間は相当なものです。これらはプリンタメーカーが開発段階で行っていますが、トナーのばらつきを変動要因として考慮すると、数値化されたデータを比較するのは限られたサンプルでしかできません。より簡単に、そしてより精度よく評価管理する手法は、とてもアナログですが目視検査なのです。
プリント出力の色評価を目視検査で行う際の光環境は大変重要になります。この光源に人工太陽照明灯が使われているのですが、多くのユーザー様から色彩評価の基準光源としてとても高い評価を頂いています。
その理由は、
・人工太陽照明灯は分光特性が晴天時の正午±2時間の自然太陽光に極めて近く、色を正確に評価管理するための光源として世界最高の特性を有している
・直流点灯でチラツキがないから、目が疲れない
・経時的変化も極めて小さいため、評価用光源としての特性が変化せず長時間使用できる
以上、3つのメリットが挙げられます
プリント出力の色評価に使用するなら、色彩評価用人工太陽照明灯SOLAX XC-100AF、XC-500AFが最適です。評価サンプルの大きさがA4サイズ以下であれば100Wシリーズ、A4サイズ以上の大きさであれば500Wシリーズが採用されています。
仕様・性能については下記ページをご覧ください。
プリントした印刷物をより高精度に評価したい、とお考えでしたら、ぜひ、経験豊富な弊社へお気軽にお問合せ下さい。