1993年、日本の光学4学会(日本色彩学会、照明学会、日本写真学会、応用物理学会)合同主催の学会「色彩工学コンファレンス」で、弊社創業者の佐藤泰司が論文を発表しました。タイトルは「色彩評価用光源の条件」。色を正確に評価・管理するために照明はどうあるべきか、をまとめた論文です。※概要はこちら
この論文発表、実は業界をざわつかせることになってしまいました。
それまで色彩管理の目視検査用光源は高演色性蛍光灯が主流でした。それを否定して新たな指標を打ち立てたので、ある意味大手照明メーカーを敵に回すことになってしまったのです。
その時好意的に反応してくれたのが塗料業界の方々でした。塗料メーカーの現場では、高演色性蛍光灯のもとで目視検査していました。しかし、なかなか色が合わないことで困っていたそうです。弊社が発表した論文によれば、高演色性蛍光灯であっても色彩を正確に見ることはできないという結論でしたので、塗料メーカーの方々は深くご納得頂き、またご賛同頂くことができました。
それ以来、日本の塗料メーカー様では人工太陽照明灯の導入が進み、今では「色を正確に管理するための基準光源」として、なくてはならないアイテムとなっています。
塗料は工業製品なので、ほんの少しですが色のバラツキがあります。その色のバラツキが社内基準内に収まっているかどうかを判断するために、人工太陽照明灯が使われます。
缶に入った状態だけでなく、塗った後の状態での評価も重要です。塗料メーカー様のお客様も色々な業種業態があり、それぞれ塗装の条件は違います。建築一つとっても、外装、内装、ビル、木造家屋、橋、ガードレールなど、全て下地が違います。従って塗った後の色がどうなのかを、塗料メーカー様もきちんと管理されています。
また用途によって表面の状態も違います。よく反射する塗料なのか反射しない塗料なのか、表面の艶、凹凸(ざらつき)、コーティングなど、挙げればきりがありません。最近では測定器の性能も格段に良くなりましたが、表面状態まで考慮して数値管理することは非常に難しく、測定器と目視検査は併用されます。
このような理由で、塗料業界のお客様は弊社のお客様の中でも特にたくさんの人工太陽照明灯をご使用頂いています。ご使用頂いているタイプは、100WシリーズはXC-100Aまたは XC-100AF、500WシリーズはXC-500Aまたは XC-500AFのいずれかです。
検査する対象が大きい場合は500Wシリーズを、仮塗りの板などの小さい場合は100Wシリーズが使われます。
近年は塗料メーカー各社様の世界中の拠点が同一基準を設けるため、日本、アジア各国、ヨーロッパ諸国、南北アメリカなど世界中の塗料メーカー様の「色を見るための基準光源」として人工太陽照明灯が活躍しています。
以上より、このような用途で多くの塗料メーカー様が人工太陽照明灯SOLAXを採用しており、基準光としてご使用頂いております。
自然太陽光と同じ条件の基準光をお探しでしたら、ぜひお気軽にお問い合わせ下さい。