今回は、能楽「宝生流」 二十世宗家
宝生和英(ほうしょうかずふさ) 様
の全面的な協力のもと、
能面を照らさせて頂きました。
ご存知でしたか。
能面というと「感情がない人」 をイメージしそうですが、
実はその逆で、
「中間表情」といってあえて特定な表情を作らないことにより、
光とかげを使って、様々な表情を見せるように出来ているそうです。
なので、感情がない人という印象は実は間違いで、本当は「表情ゆたかな人」 なのです。
今回は、非常に歴史のある能面に人工太陽照明灯を照らさせていただきました。
まずは代表的な女性の面、「節木増(ふしきぞう)」から。
白熱灯の下で見ると
蛍光灯の下で見ると
これを、人工太陽照明灯で見てみると
わかりにくいので、並べてみると
拡大してみると、
今度は、「中癒見 (ちゅうべしみ) 」という能面。
この能面は、江戸時代に作られたそうです。
拡大してみると、
わかりますか、 この違い
照明によって、こんなにも表情の色彩が違って見えるのです。
しかも、 人工太陽照明灯の場合、
今にも語りかけてきそうな雰囲気や、本当にいるような存在感まで、伝わってきます。
※ここでお知らせです。
今回撮影協力頂きました
宝生和英様が主宰されている「和の会」にて
宝生流能楽公演「体感する能 黒塚」が開催されます。
ぜひ、鑑賞してみたい方は下記サイトをご覧ください。
WEBチケット予約サイト http://www.confetti-web.com/(カンフェティ)
当日は、太陽先生とスタッフも
鑑賞しに行きます。
会場で、 太陽先生を見かけましたら、声をかけて下さい。
教えて!太陽先生!!
それはね!
肌色というのは青や赤といった特定の波長だけでなく、
照明の特性が強く反映されてしまう色なんだよ。
蛍光灯は、特定の波長が強く出る輝線スペクトルがあるので、
輝線の影響が強く色見に出てしまうんだ。
また、 白熱灯の光は赤みの強い、低い色温度だから
全体が、 赤みがかって見えてしまうんだ。
それから能面のような、 艶のある
表面素材のものは、
ある程度の光の強さがないとよく見えないんだ。
蛍光灯や白熱灯のような、広い面をまんべんなく照らす、 拡散性の高い照明だと、
艶の感じがはっきりしないんだよ。
人工太陽照明灯は、狭い面を強く照らす指向性 (光の直進性)の高いスポットライト
なので、
艶の感じがはっきりわかるから色の見え方も正確できれいに見えるんだ。
以上が、照明によって能面の見え方が違ってしまう理由なんだ。
わかってもらえたかな?
なるほど!そういう事なんだ!!