冬至(とうじ)とは一年で最も昼の時間が短くなる日の事です。
そこでいきなりですが、問題です。
問題1:1年のうちで日の出時刻が最も遅い日は次のうちどれ?
①冬至より前の日 ②冬至 ③冬至より後の日
問題2:1年のうちで日の入時刻が最も早い日は次のうちどれ?
①冬至より前の日 ②冬至 ③冬至より後の日
答えは・・・
まず下のグラフをご覧ください。東京における2023年12月1日から2024年1月15日までの日の出・日の入・南中時刻を表したグラフです。
ご覧のように、最も日の出時刻の遅い日は1月7日および8日(秒単位まで同じ時刻です)、最も日の入時刻の早い日は12月6日です。日の入は冬至よりも前に最も早い日が訪れ、日の出は冬至よりも後に最も遅い日が訪れます。
日の入の最も遅い日、冬至および前後1日、日の出の最も遅い日のそれぞれの時刻と日長を下表にまとめました。
月日 | 日の出時刻 | 日の入時刻 | 日長 | |
12月 6日 | 日の入の最も早い日 | 6:36:22 | 16:27:41 | 9h51m19s |
12月21日 | 冬至前日 | 6:46:47 | 16:31:17 | 9h44m30s |
12月22日 | 冬至 | 6:47:17 | 16:31:46 | 9h44m29s |
12月23日 | 冬至翌日 | 6:47:46 | 16:32:17 | 9h44m31s |
1月 7日 | 日の出の最も遅い日 | 6:51:24 | 16:42:56 | 9h51m32s |
日長の最も短い日が冬至で、9時間44分29秒となっています。冬至前日と翌日との日長の差はわずか1秒です。日長の日ごとの推移は下図の通りです。
表をご覧頂ければわかる通り、日長は冬至の日が最も短くなります。
ハイ、長くなりましたが、賢明なる皆様はもうお分かりですね。冒頭の問題の答えは、
問題1:1年のうちで日の出時刻が最も遅い日は?
⇒ ③の「冬至より後の日(2024年は1月7日)」
問題2:1年のうちで日の入時刻が最も早い日は?
⇒ ①の「冬至より前の日(2023年は12月6日)」
となります。
先入観で冬至の日が最も日の出が遅く最も日の入が早い日と思っていましたが、そうではありません。
なぜこのような現象になったかというと、地球の公転軌道(太陽の周りを回る軌道)が完全な円ではなく楕円だから、が理由です。どのような楕円なのか、といった数値のデータは探し当てることができませんでしたが、円運動の軌跡は三角関数で表すことができるので、冬至の日の出が最も遅く日の入りが最も早くなるはず。そうではないから楕円運動である、ということなのでしょうか。
なお、東京の日の出日の入、日長は全て計算で求められます。東京のように建物が多いと正確な時刻が観測できないし、地平線に雲があれば晴天であっても正しく観測できないためです。地平線の設定など細かな定義は分かりませんが、そのため秒単位の時刻が公表されているサイトもあります。もし、ご自分の地域の今日の日の出日の入時刻を知りたい時は下記URLをご参照してみて下さい。
【国立天文台 暦計算室 各地のこよみ】
https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/dni/